驚きの手紙

 一昨日一通の手紙が机の上に置かれていた。装飾の一切無い真っ白い封筒は誠実で清潔な第一印象を与え、年賀状を受け取った友人からの近況を知らせる手紙に違いないと思った。1月はこのような手紙が多く、嬉しさと懐かしさで心が浮き浮きする。

 差出人を確かめると、何と藤沢市本鵠沼の神奈川県藤澤署からであった。藤澤警察署から一体なぜ? すぐに、ひとつぴーんと来た。鎌倉に行くときに小田急線で藤沢経由を利用するが、前回鎌倉に行ったときに某航空会社から送られて来た今年のカレンダーを空けずに少し大き目の段ボールのまま持参した。ここのカレンダーは写真が立派で重厚なこと、文字が大きいので両親のお気に入りで、二人は長年愛用している。昨年送られて来たときに「これは鎌倉行き」と封を開けずに保管しておいた。 それを小田急線の中に置き忘れて来たことは、父から「カレンダーは?」と促されて気がついた。「あれを手にした人は幸運ね、きっと今年一年良いことがあるわ」と3人は誰かの手に渡ったものとすっかり諦めて手にした人の幸運を話していた。

 手紙の封を切ると、遺失物件確認通知書とあり、藤澤警察所長から私宛に ”あなたのものと思われる物件・・・が取得され、現在・・・・に保管中・・・” とあり

返還手続きを行う場所・連絡先などが丁寧に記載されていて、驚きと感動で読んだ。

勿論、私の住所はパッケージの宛名で知り、お送りくださったのだと思う。

 11日にフランス人の友人と話しているときに「最新のスマートフォンを六本木で失して麻布警察に届けたけれど、周囲からは出てくるはずがないと言われ、すぐに同じものを買ったら、翌日警察から届け出の連絡があって感動した。新春の信じられない奇跡のような出来事は、フランスでは絶対に起こりえない」と2個のスマートフォンを振りかざして日本に住む方達の良心に感動していた。がその翌日の手紙にも大感動。

 今日、藤沢署に電話をして、ご連絡のお礼を申し上げ「忙しくて取に行かれないので、よろしければ箱を開けて使ってください。お邪魔でしたら処分してください。今後は置き忘れに注意して、警察のお手間を煩わせないように気をつけます。」と申し上げると、相手の方はクスット笑って、「解りました。ご連絡ありがとうございます。」と気持ちの良い会話を交わした。

警察に届けてくださった方にも心から感謝してお礼を申し上げたい。

遺失物の取り扱いや、届け出の親切さといい、親切な通知といい、日本は何と良心的な良い国だろうと改めて感動し、誇りを感じている。